私が使っているルミックスGF10は、コンパクトサイズカメラみたいにとっても小さくて軽く持ち運びが楽ちんなカメラですね。
旅行などお出かけのときも、日常でのスナップ写真のときも、いつも大活躍しています。
さてこのルミックスGF10、たくさんの機能が搭載されていますが、たくさんありすぎて十分使いこなせませんよね。
「分からないときには、カメラの取扱説明書を見ればよい」
とは言いますが、現実に取扱説明書を見ても「簡単な説明だけでどのように使ったらいいのか全く分からない」です。
今回ご紹介する「iDレンジコントロール」
実はとても素晴らしい機能なんですが、説明書ではどんなときに使ったらよいのか、カメラビギナーには全く分かりません。
この機能、私がパナソニックが開催しているルミックス写真講座で学んできました。
この「iDレンジコントロール」はとても便利な機能で、使いこなせるようになれば写真の表現の幅がさらに増えるようになるんです。
今回の記事では、ルミックスGF9/GF10の「iDレンジコントロール」について紹介してきたいと思います。
iDレンジコントロールとは
「iDレンジコントロール」とは、逆光のときや、光が当たるところと当たらないところの明暗の差が大きすぎるときに活躍する機能です。
例えば屋外での撮影で、光の当たらない部分が黒くなってしまったという経験がありませんか。
(撮影場所:大宰府天満宮)
どうでしょう?門が黒くつぶれてしまってなんだかよく分かりませんね。
原因は光の当たるところと光の当たらないところとの明暗の差が大きすぎたからなんです。
主に逆光の状況になると、つまり光が差してくる方向に向かって撮影すると起きてしまうのです。
カメラは強い光の部分を優先して判断し写真が明るくなりすぎないようにします。
つまり強い光の場所では、写真が真っ白(白飛び)を抑えようとして光の量を絞るので、光が当たらない部分が暗く写ってしまうのです。
もしこのような状況で使える機能が「iDレンジコントロール」
「iDレンジコントロール」を使えば、明るいところも暗いところもどちらも両立した写真が撮れるんです。
iDレンジコントロール機能を使った写真
「iDレンジコントロール」を使って撮影した写真です。
iDレンジコントロール使用例1
何も設定をしない場合の写真です。
日陰の部分、ガラス窓に貼ってある紙には文字が書かれていますが、黒くなってよく見えませんね。
そこで「iDレンジコントロール」の出番です。
この機能を使って撮るとこのように暗い部分の明るさが持ち上がります。
iDレンジコントロールを使うと、ガラスの文字がよく分かるようになりましたね。
iDレンジコントロール・使用例2
iDレンジコントロールの使用例、2つめです。
浅草寺の五重塔、撮影時間がお昼前です。
快晴で光がとても強く、明暗差がとても強いです。
青空の「青」と五重塔の「赤」の対比がきれいに写りましたが、屋根下の木組み部分は黒くつぶれてしまって形がハッキリと見えないのが残念です。
現実に人の目で見た時にはもっと鮮やかに見えていたのですが、写真ではそれを表現できませんでした。
さてここで「iDレンジコントロール」の出番です。
いかがでしょうか。
iDレンジコントロールを使うと、屋根下の木組みの部分の構造が分かりますね。
さらに五重の塔の朱色もはっきり明るく写りました。
iDレンジコントロール・使用例3
ホームの外からガラス窓を通して明るく光が差し込んでいます。
この場合、この外の明るさに合わせて露出を決めてしまうと屋内部分は暗く、屋内の明るさに合わせて露出を決めると外側は真っ白(白飛び)になってしまいます。
こんなときも「iDレンジコントロール」を使ってみましょう。
ホーム内部の様子がハッキリ写りました。
明るいところと暗いところの差が大きい場面では、どちらかの明るさに合わせるともう一方が白くなりすぎたり、黒くつぶれてしまったりして写真がうまく撮れない場合があります。
そんなときこそ「iDレンジコントロール」の出番です。
iDレンジコントロール・使用例4
空を見上げて飛行機を撮る場合、撮影場所と太陽、飛行機との位置関係で逆光になってしまうことがあります。
そうすると、飛行機の機体が真っ黒になってしまい、シルエットだけしか写らないことが起こります。
そんなとき「iDレンジコントロール」が役に立ちます。
同じ状況で撮った写真ですが、このように飛行機の様子が見えるようになりましたね。
iDレンジコントロールの設定方法
さてこの便利なiDレンジコントロールですが、どこから設定するのかご存知でしょうか。
カメラのメニューの奥に入っていて分かりにくいかもしれませんので、ここからはGF9やGF10での「iDレンジコントロール」設定方法についてご説明いたします。
(1)iDレンジコントロールを探す
カメラの背面のダイヤルの「MENU/SET」ボタンを押します。
左側のタブがカメラマークの「撮影」の状態のときに「iDレンジコントロール」を選びます。
「iDレンジコントロール」のわきに「3/8」と表示されていますね。
「3/8」とは撮影メニューの中で8ページのうちの3ページ目という意味です。
ちなみに、もし左側のタブがカメラマークの表示でない場合には「iDレンジコントロール」は見つけられません。
その場合は、まずダイヤルの左を押してタブをカメラマークの表示に移動させます。
ダイヤルの「∧」「∨」を押すと、カメラマーク表示まで移動できます。
カメラマークの表示になったら、ダイヤルボタンの右側を1回押します。
すると撮影メニューの項目に入り「iDレンジコントロール」まで画面をスクロールできます。
ちなみに「iDレンジコントロール」をメニュー画面から選ぶときには、「ダイヤルを回す」、「ダイヤルの上下のボタンを押す」、「液晶画面をタッチして[∧][∨]を押す」、の3つの方法があります。
自分が一番使いやすい方法で行えますよ。
(2)「iDレンジコントロール」を「ON」
「iDレンジコントロール」を選び「MENU/SET」ボタンを押します。
画面右側に設定項目が表示されたら「強」にしましょう。
[AUTO]、[強]、[中]、[弱]と4パターンありますが、一番効果が出やすい[強]を選んだ方が撮影しやすいです。
(3)撮影時は露出補正を常に「マイナス(−)」設定
「iDレンジコントロール」を設定したら、露出補正はつねに「マイナス(−)」に設定したほうがいいでしょう。
「iDレンジコントロール」を使うと暗い部分が明るく落ち上げられますが、同時に明るい分を白く持ち上げてしまい真っ白(白飛び)になってしまうことが多いです。
優秀な機能も万能には使えないんですね。
ですので「iDレンジコントロール」を使っているときは、いつも以上に液晶画面を見て、白飛びしないように露出補正の「マイナス(−)」設定をしておきましょう。
「露出補正」はカメラの背面ダイヤルの上ボタンを1回押せば設定できます。
画面下に露出補正の表示が出たら、背面ダイヤルを左回り(反時計回り)にしてマイナス設定にしましょう。
画面で写り具合を確認しながら、露出補正をしていきます。
ここでは例として「-2/3」としましたが、現実には露出補正をもっとマイナスにする場合が多いです。
ほぼカメラ任せで写真は撮れますが、カメラは万能ではありません。
「iDレンジコントロール」を使うような明暗さが大きい場面では、人が見るような感じで撮影するのが不可能です。
撮り終ったら設定解除忘れずに
iDレンジコントロールでの撮影を終ったら設定の解除をするのを忘れないようにしましょう。
iDレンジコントロールはあくまでも逆光や明暗の差が大きい場合に使うものなので、普通は解除しておきます。
解除しないと陰影のない平べったい写真が大量に撮れてしまいます。
なんだか眠たい写真だなあ~と感じたときには、「iDレンジコントロール」が設定されたままになっていないか確認してみてください。
設定の解除方法は、撮影メニューから「iDレンジコントロール」を選び[OFF]にするだけです。
iDレンジコントロールの解除方法
「MENU/SET」ボタンを押して、液晶画面に「iDレンジコントロール」を表示させます。
「MENU/SET」ボタンを押して[強]を[OFF]にします。
「MENU/SET」ボタンを押せば設定が解除されました。
「iDレンジコントロール」の表示が「OFF」になったら解除完了です。
繰り返しお伝えしますが設定解除をお忘れなく。
明暗差が強い場面で有効な機能ですから、ほかの場面で使うと陰影のない平べったい、いわゆる「眠たい写真」が量産されてしまいます。
まとめ・iDレンジコントロール
今回はルミックスGF9/GF10に搭載されている「iDレンジコントロール」の機能について、ご紹介してきました。
「iDレンジコントロール」は明暗差が大きな場面で、暗くなってしまう部分を明るくしてくれるとても便利な機能です。
明暗差が大きい場面、逆光の場面、こんなときに被写体が黒くなりすぎないように明るく持ち上げてくれる効果があります。
どうぞこの機能を使って自分の満足のいく写真を撮ってみてくださいね。
最後までご覧いただきましてありがとうございました。
<追記・ご注意ください!>
「iDレンジコントロール」は「iAモード(インテリジェントオート)」、「クリエイティブコントロールモード」では設定できません。
上記のモードのときは、カメラのメニューから設定ができないようになっています。
「iAモード(インテリジェントオート)」の場合は、カメラがすべて自動で判断して撮影するからなんです。
「クリエイティブコントロールモード」の場合は、意図的に明暗差を利用して撮影する場合があるからなんです。
2つのモードの使い方は、改めて別の記事にてご紹介したいと思います。
*****
ルミックスGF10にはかわいいホワイトボディもありますね。
Panasonic LUMIX DC-GF10 ホワイト・ダブルレンズ
最近のコメント